【本因妙】:姉への感謝、家族の有難さを痛感した日

「私には、もうなんの後悔もないよ」


「精いっぱいお父ちゃんが、頑張っている姿を確かめることが出来たからね」


そう言って、わたしの姉は、自分の家族が暮らすオーストラリアへ向けて発った。


父が脳溢血で倒れて、すぐにアメリカから急遽、駆けつけてくれた。


アメリカには、オーストラリアから旅立ち、そこを働く地として選んだ自分の息子が暮らしている。


約3週間の予定で、子供の世話や働いている職場や旅行を楽しむはずだった。


しかし、アメリカでの姉と息子の親子の水入らずの3週間の予定の滞在も父が脳溢血で倒れたことによって、たった一日で帰らなければならなくなった。


そんな姉に対して、わたしは、申し訳ないと思った。


これまでの姉の苦労。


息子の念願がかなって夢のような企業へ就職できたこと。


その恩返しで、アメリカへ呼んでくれた子供。


3週間の姉にとって夢のような日々は、たった一日で終わってしまった。


でも、姉はそんなことに対する思いは、おくびにも出さない。


父に付添う姉の毎日の日々に変わった。


やること、出来る事は全部やった。


父の意識は戻らないまま。


わたしと姉は、父の病室で二人、たくさん話をした。


そして、泣いた。


姉に対する恩。


父に対する恩。


家族というものに対する有難さ。


最高の感謝。


それもこれも父が脳溢血で倒れたおかげ。


姉は、なんどもなんども眠ったままの父にいった。


「おとうちゃん、ありがとうね。」


「毎日、毎日、頑張ってくれてるね。」


「お父ちゃん!、おとうちゃん!」


なんどもなんども耳元で声をかけた。


「おとうちゃん、もっと、もっと、話したかったね。」


今年、5月には、オーストラリアから日本に帰ってきて、お父ちゃんたちのそばで暮らはずだった。



そして、一昨日、もう一人の子供であるオーストラリアで暮らす娘の大学の卒業式へ出席するために、帰っていった。


帰る日の前日、父の寝ている病室で、姉は、私に、


「精いっぱいのことはしたから、後悔はないよ」


「あとは、お父ちゃんの生命力を信じるだけだね」


そう、明るく力強く言った。


わたしは、ただ、ただ、姉に感謝の気持ちでいっぱいになった。


こんなに凄い姉が家族として側にいてくれたこと。


わたしは、本当に幸せだ。


お姉ちゃん、ありがとう・・・。


感謝の涙でいっぱいになった。


父は、今も毎日、自分の命と懸命に闘っている。


だから、私も負けない。


本因妙。








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